指紋鑑定は法科学鑑定研究所

当サイトについてプライバシーポリシーお問合せサイトマップ

法科学鑑定研究所
 

 

 

 

 
  毛髪検査の方法

【毛髪検査の方法】

毛髪検査の最大の重要ポイントは一番最初に行う外観検査です。

 

 

ここでは、外観検査から最後のDNA検査までを簡単にご説明いたします。

 

【1,外観検査】

肉眼検査及び光学顕微鏡を使用して、間違いなく“毛”なのか識別します。

色調/形状/長さ/光沢/硬さ

1)間違いなく毛なのか、他の繊維では無いのか?

繊維統計資料を使用し、毛もしくは、それ以外のものに選別されます。

2)その毛は人の毛なのか、他の動物の毛ではないのか?(人獣識別)

獣毛統計資料との比較を行い、人の毛、獣毛に選別されます。


※この検査で“人毛”と判断されると、次の検査に進みます

 

【2,形態学的検査】

光学顕微鏡及び電子顕微鏡を使用して、外観形態と毛の基本構造を探ります。
 


  

 

 a) 間違いなく人の毛か否か(検査精度を上げて確認されます)

   人の毛と判断されると↓の検査に進む


 b) 毛の発生部位の特定(何処の毛なのか、髪の毛?腕の毛?陰毛?)

   人毛の部位が特定されると↓の検査に進む


 c) 形態変化の特徴(美容処理による変化、外傷による変化、病的な変化)

   ここでは、人の毛の外的影響を精査し個人の環境・特徴などを探し出します。

    

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 
※この検査では、個人が生来もっている特徴→太さ・色調・髄質の形状・毛根の形状などの情報を得ることが出来ます。

 さらに、日常生活を反映するような特徴→美容処理の有無・整髪剤の有無・病的な形状などの情報も得ることが出来るのです。

(蒸着処理した毛髪を走査線顕微鏡で撮影する)

この画像を解析すると、整髪剤が付着しているのが解りますよね

この付着物をIRやGC-MSなどで分析し、化粧品を特定します。

 

【3,血液型による検査】

血液型検査は破壊検査である解離試験法を用いたABO式検査です。

一般的には5〜6cmの長さの毛髪を洗浄後、砕き毛髪内部の組織を露わにします。

3種類の試験管を用意しそれぞれに、抗A、抗B、抗Hの血清を入れ、前記した毛髪を

3等分し、試験管に入れ、反応が出る条件下にて反応試験方法を遂行します。

(詳しく知りたい方は、法医学書などに出ています。ご参照ください。)

結果はABO式検査特有の凝集により、判断されます。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

血液型検査は、検査資料に問題があり反応が出ない場合があります。

加熱された毛髪や採取が古い毛髪などは検査自体をお勧めしていません。

 

【4,元素分析による検査】

 毛の含有元素を分析します。

 分析方法はエネルギー分散型X線マイクロアナライザー(EDX)を用い、毛の元素を分析して行われます。

人の毛髪の元素成分には個体差があります。

毛の成分のカリウム/カルシウム/硫黄などをスペクトラムグラフ化し元素成分の違いを検査します。

この元素検査では、1本の毛を数カ所に分類し、検査されます。

一般的には毛根直上部と毛幹中央部の2カ所を元素分析します。

これは、1本の毛髪でも成分の変動が有るためです。

また、同一人から採取した資料でも、その個体の毛の発生部分により変動があります。

ですから、毛髪の場合を例にとると、前頭部・左右側頭部・頭頂部・後頭部と5種類の毛髪を検査する場合もあります。

 

【5,DNA型分析による検査】

DNA検査は、大別すると3種類の方法が用いられています。

 

1つ目は、毛根部分から新鮮な細胞核が取得出来ている場合に限られますが、STR法によるDNA検査を行う方法です。

このSTR法によるDNA検査が行えれば、個人の識別には申し分ない結果を得ることができます。

しかし、この毛根付き毛髪は殺人現場などで被害者が加害者の髪をむしり取ったような場合や、交通事故などの被害者の遺留毛髪などの場合のように、強制的に抜かれた髪に限られ、一般検査には、ほとんど登場することはありません。

 

2つ目は、毛根直上部からのミトコンドリアによるDNA検査です。

よく誤解されていますが、毛幹からのミトコンドリアの検出は、ほとんど出来ません。

その理由は、ミトコンドリアDNAは、むき出しの細胞だからです。

Dループも核細胞と違って極端に少なくなります。

良い条件の毛髪資料でも、直射日光や、温熱、摩擦などに耐えられません。

つまり、極めて影響を受けやすいDNAと言えます。

(影響を受けると変化が起き誤判断が予測されます)

(米国では単体検査よる誤判断により訴訟問題も起き社会問題化しています)

混入毛髪による、最大の問題点と言えます。

(法科学における毛髪鑑定は1種類のみの検査結果では、絶対!判断しません)

 

つ目は、PM型DNA検査法(ポリマーカー型)が目的に適しているとされ、検出の対象検査となっています。

PM検査では、5種類のDNA型を1度のPCR法で増幅して検査されます。

PM型DNA検査法は、一般的日本人の場合486通りにしか、分類できません。

ですから、この検査方法でも万能ではないのです。

 

現在の法科学鑑定においては、一般的に行われているMCT118型検査やHLADQα型検査などの、塩基対の数の多いDNA検査法は困難となっています。

 

【エキストラ検査】

毛髪検査方法は、ここで紹介した以外の方法も多々報告されています。

性犯罪現場から収集した人毛から、女性/男性を識別する検査法やタンパク質を解析

し、個人識別する方法など、日々進化し続けています。

 

【毛髪などの検査資料】

現在、弊所に持ち込まれる毛髪の数は日に日に増しています。

しかし、検査の対象となり得る条件下の毛髪資料は30件の内1件程度です。

つまり、せっかくの証拠を採取の段階で破壊しているのが現状です。

ピンセットなどでの採取は傷・折れなどの損傷が出てしまい鑑定には、なじみません。

また、紙製の封筒などでは摩擦と乾燥により外観も成分も変質してしまいます。

多くの上場企業には警察のOBが監査役や参事などで在籍しており、そのような企業からの依頼は良状態でのご報告が可能な場合が多いようです。

証拠資料の扱い方を存じているからだと思われます。

 

【毛髪鑑定の可能性】

毛髪の遺留物に関しての研究は世界的にみてドイツと日本が群を抜いています。

毛髪鑑定は、指紋鑑定のように個人を決定的に特定出来る切り札とはならないと考えられてきました。

しかし、毛髪の形態や化学分析の結果は個人の生来の特徴や、生活環境などの状況を表しており、これにABO式検査やDNA型鑑定が附随されれば、数々の犯行の重要証拠となり得ます。

さらに、毛髪による多面的な検査方法として、麻薬や毒物検査にも利用されています。

今後、毛髪鑑定は次世代科学捜査の切り札になり得る可能性が十分にある研究なのです。

 

前のページへ戻る

このページの先頭へ

毛髪 鑑定TOP毛髪鑑定の方法毛髪検査の方法

科学分析/解析TOP

指紋鑑定筆跡鑑定DNA鑑定交通事故鑑定音声鑑定

科学分析/解析

画像解析毛髪鑑定血痕鑑定足跡鑑定

ホーム

 
Copyright (c) 2002-2008 法科学鑑定研究所 株式会社 All rights reserved. 当サイト内すべてのコンテンツからの 無断複写・転載・引用などを禁じます。